愛媛県宇和島市沖の宇和海に浮かぶ日振島に、貝細工を作り絵を描き続けるお年寄りがいる。89歳の笠岡さださん。交流のある島民に感謝を込めて作品を贈っている。その姿に心打たれた地元民宿「つわぶき」のオーナー林妙子さん(60)が、島民から借り集めた約40年分の集大成約60点を同民宿で展示している。19日まで。 鹿児島市出身の笠岡さんは、小さいころから絵が趣味だった。22歳で日振島に嫁ぎ漁業仕事や畑作りに追われる中、海岸を散歩中に美しい貝殻に目が留まった。「お金がない時代、宝物に思えた」とほほ笑む。集めた貝殻ではり絵作りを始め、47歳の時には全国規模の手芸コンクールで最優秀賞に輝いた。 以来、貝細工は地元で評判になり、水彩画や絵手紙などと合わせて島の住民に贈るなどしている。
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