気象庁は8月30日から「数十年に1度の気象現象」が起きた場合に発令する「特別警報」の運用を始めた。愛媛県は大災害が比較的少ない地域とされるが、戦時中には死傷者・行方不明者が計260人以上に達する大雨災害もあった。松山地方気象台は、特別警報を最大限に生かすため「住民に危機感を持ってもらうことが一番の課題」としている。 特別警報は、大雨、暴風、高潮、波浪、大雪、暴風雪の6種類で、重大な災害が起こる恐れが高まった場合に発令する。大津波警報や緊急地震速報(震度6弱以上)なども特別警報に位置付けられる。発令時には、避難や安全確保などただちに身を守るための行動を起こす必要がある。 気象台によると、愛媛県は降水量が比較的少なく穏やかな気候で、特別警報発令に相当する気象は、データを比較できる1991年以降、発生していない。しかし、防災業務課の西村修一調査官は「過去には特別警報発令に相当する可能性のある災害があった」と警鐘を鳴らす。 今夏は山口、島根両県や東北で運用前の特別警報に相当する局地的豪雨があった。西村調査官は「東北はデータでは愛媛よりも大雨が少ないとされる所。最近の雨の降り方は尋常ではなく、どこで大雨が降るか分からなくなってきた」と話す。
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