歌人としての正岡子規をしのぶ第32回子規顕彰全国短歌大会(松山市教育委員会主催)が26日、愛媛県松山市道後公園の子規記念博物館であった。応募のあった全国692人計1620首から、新居浜市の尾崎幸子さんの「金髪と青い瞳の甥の嫁茄子のぬか漬け色良く漬ける」など15作品を特選で表彰した。 「塔」主宰の永田和宏さんが「歌を本棚から解放しよう」の題で記念講演。柿を送ってくれた知人に返礼が遅れたことをわびた子規の歌などを挙げて「入選首や本で活字になるものだけが歌ではない。日常生活の中で生きる歌の使い方もあるのでは」と問題提起した。 永田さんは、歌人だった亡妻河野裕子さんへ宛てた作品「一日が過ぎれば一日減ってゆくきみとの時間もうすぐ夏至だ」も紹介。「闘病中の妻に見せるのは残酷だったが、作ってよかった。日常の言葉では難しくても、歌を使えばてらいなく思いを伝えられる」と語った。
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