みこしの豪快な鉢合わせが人々を魅了する松山の秋祭り。一番町や大街道など市中心部を神域とする「小唐人大神輿(ことうじんおおみこし)」は今年、「みこし再興」から30年の節目を迎えた。少子化などによる担い手の減少という悩みを抱えつつ、次代に伝統文化を引き継ごうと奮闘している。 中学生から70代まで総勢250人が支える小唐人は、湯神社(道後湯之町)のみこしで、伊佐爾波神社や溝辺町のみこしとともに「八町会」に所属。毎秋、伊予鉄道道後温泉駅前で威勢のいい鉢合わせを繰り広げている。勝敗が決まればすかさず引く特徴的なスタイルから「引きの小唐人」の異名を取る。 江戸時代からの伝統を誇るが、戦後、祭りでけが人が続出。五穀豊穣(ほうじょう)を願う本来の姿から遠のき、1950年から秋祭り参加をやめた。85年に再びみこしを出し、翌年から鉢合わせもするようになった。
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