愛媛県今治市大三島町宮浦の大山祇神社(三島喜徳宮司)で2日、豊作に感謝する「抜穂祭」があり、女子児童16人が扮(ふん)する抜穂乙女が初穂を刈り取った。来年の五穀豊穣(ほうじょう)を占う一人角力(ずもう)もあった。 旧暦5月5日の御田植祭で植えた稲を収穫する抜穂祭は、旧暦9月9日に行われる伝統行事で、1364(貞治3)年の文書に記録がある。 神事では、白装束に赤い脚半、手甲を身に着けた抜穂乙女が斎田に入り、鎌で稲穂を刈り取った。稲は斎田前に渡御したみこしに供えられた。 県無形民俗文化財の一人角力は、菅貞之さん(39)が見えない稲の精霊と3番勝負を繰り広げた。行司役の多和祥栄さん(41)が取組をさばき、観衆は2人の熱のこもった所作を時折笑いながら見守った。
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