四国電力は9日、伊方原発(愛媛県伊方町)の敷地前面の中央構造線断層帯を震源とする地震の揺れで耐震設計の目安となる想定(基準地震動)を570ガルから六百数十ガルに引き上げると発表した。千葉昭社長が県庁で中村時広知事に報告した。 中央構造線断層帯を震源とする地震は伊方原発で最も影響が懸念され、千葉社長は「重大な変更」と強調。ただ具体的な数値は「国の原子力規制委員会の審査で確定する」と述べるにとどめた。 四電は県の要請を受け、原子炉容器など安全上重要な134設備について、おおむね1000ガルに耐えられると確認している。基準地震動の引き上げに伴い、一部の設備が耐えられない恐れがあるため、耐震性向上工事を実施するとしている。 原子炉の自動停止に失敗した際、機器を動かす制御盤や原子炉を冷やす代替のスプレーポンプといった国の新規制基準への対応で新たに設置した設備についても、おおむね1000ガルの耐震安全性確保の対象に加える。
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