第151回芥川賞・直木賞の贈呈式が22日夜、東京都内のホテルであり、「破門」(KADOKAWA)で直木賞を受賞した黒川博行さん(65)=愛媛県今治市出身、大阪府在住=は「この男に授賞しようと考えてもらった選考委員、読者にお礼を申し上げる」と喜びを語った。 黒川さんは6度目の候補で受賞。「破門」は人気の疫病神シリーズ5作目で、暴力団員の桑原と建設コンサルタントの二宮がカネを追って大阪、今治、マカオなどを飛び回る。県人の直木賞は天童荒太さん(54)=松山市出身=に続き2人目。 式に黒川さんは「たった一つ持っているスーツ」で登壇。「60歳を過ぎたら直木賞の候補になることはないと思っていた」と振り返り「大きな賞をいただいたが、一番やりにくかったのは選考委員だったと思う。9人の委員のうち7人が知り合い。こんなすれた候補がどこにいます?」と軽妙に語り、会場は笑いに包まれた。
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