有害鳥獣による農作物の被害が深刻化する中、愛媛県松山市は24日、サルを追い払う訓練を受けた「モンキードッグ」を市内で初めて北条地域に2匹導入した。河野、粟井両地区に1匹ずつ配置し、サルの出没情報を受けて出動させる。 市農林水産課によると、有害鳥獣による市内の農作物被害額は2013年度で3256万円に上る。サルは捕獲が難しく、被害防止には広範囲にわたり高価な柵の設置が必要となる。サルの被害は増加傾向にあり、北条地域でも深刻化している。モンキードッグは全国で導入が進んでおり、県内では松野町に続き2例目。サルを追い払う強力な助っ人として期待がかかる。 2匹は、かんきつ農家石橋仁志さん(53)が飼育する2歳のハクと、同樋野彰彦さん(59)が飼育する1歳8カ月のケンで、ともに雄の雑種。徳島県の訓練所で「追い払い後は元に戻る」「命令に従う」など3~5カ月の訓練を受けた。市は1匹当たり約20万円の訓練費を出した。
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