１９４４年６月２９日、沖縄に向かう途中、米軍の魚雷攻撃を受け鹿児島県徳之島沖で輸送船「富山丸」が沈没し、約３７０人の愛媛県関係者の命が奪われてから７０年。遺族の高齢化を理由に全国組織が解散を余儀なくされる中、県富山丸遺族会は「悲しみを繰り返さないように」と活動を続け、２９日に７０回目の慰霊祭を松山市御幸１丁目の県護国神社で行う。父を亡くした西岡綾子さん（８２）＝同市宮西１丁目＝は、平和が続くことを祈って今年も手を合わせる。 セピア色の写真の中で、親子５人が寄り添う。この１枚が最初で最後の家族写真になった。「今度は帰れんかもしれんと思っていたんでしょうね」。西岡さんは、出征を前にした父の気持ちをおもんぱかる。 職業軍人だった父の関井正行さんは、３７歳で命を落とした。
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