県立中央病院(愛媛県松山市春日町)は4月から虚血性心疾患の詳細な分析に役立つ新たな検査法を本格導入している。心臓の血流量の数値化やコンピューター断層撮影の高解像度撮影が可能となり、治療計画の検討に貢献すると期待される。保険適用されるのは四国で初めてという。 2011年の虚血性心疾患の診療は県立中央病院で681人。循環器内科や放射線科から、検査画像と症状が合致しないケースが報告され、詳細な分析が求められていた。今年1月、保険適用の条件を満たすアンモニア合成機器を導入。3月末に1例目の検査をして以降、週に4件程度実施している。 新たに導入した検査法では、陽電子を放出する窒素とアンモニアを合成し、血液に溶けて心臓に集まりやすい薬剤を作って注射。心筋付近に集まった薬剤が陽電子を放出した際に発生する放射線を撮影する。安静時と負荷時の心臓の断面画像を比較して全体の血流量を分析し、疾患の判定に役立てる。
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