愛媛県宇和島市三間町務田に南予で初めて造られた鉄道トンネル「窓峠隧道（まどのとうげずいどう）」の完成１００周年を祝うイベントが８日、同所であった。地元住民や市内外の鉄道愛好家約４０人が思い出を語り、れんが造りの近代化遺産を見学した。 窓峠隧道は１９１４年１０月に開通した宇和島鉄道の宇和島―近永（鬼北町）間で、宇和島方面から旧三間町への入り口に立地。１４年３月に完成した。国鉄宇和島線となりレールの幅や機関車が変更された４１年から使われなくなり、地元自治体に払い下げ。その後、不法投棄の廃棄物に埋もれた状態になっていた。 ２０１１年、住民が「地域の宝を復活させたい」と立ち上がり、相談を受けた市が廃棄物を撤去。１４年２月には住民約１０人が周辺を清掃し、１００周年イベントも企画した。 ８日は隧道の前で、来場者が鉄道唱歌を合唱。住民が思い出を披露し「宇和島鉄道時代には汽車があまりに遅いので、一回降りた乗客が汽車に追い付いてまた乗った」「小学４年生だった１９４１年に導入された機関車の動輪は背の高さほどもあった」と笑顔で語った。その後、隧道内に入り、れんが造りに触れて興味深そうに眺めた。
↧