東日本大震災から3年を迎える中、愛媛県松山市船ケ谷町の元写真家岡田えり子さん(49)らが、津波で壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市雄勝町の現状や復興に向けた動きを紹介する「OGATSU(おがつ)ネットワーク新聞」の第1号を完成させた。岡田さんは、写真の腕を生かし、現地の姿をありのまま伝えることで復興を後押ししたいと意気込む。 同町は硯(すずり)やスレート瓦の素材「雄勝石」の産地として知られる。岡田さんは、現地で雄勝石を通じた復興活動をしている石絵作家らのプロジェクトに共感。2013年には雄勝石を屋根に使用している萬翠荘(松山市)で企画展を開くなど、同町との交流を続けてきた。 新聞はA2判1枚の両面に印刷し、四つ折りにした計8ページ。13年8月に岡田さんが撮影した仕事中の硯職人ら現地の日常をとらえた写真が紙面の大半を占める。コンサートの様子や海藻やウニ、ヒラメといった特産物も文章を添えて紹介。岡田さんは「多くを失った被災地で、自分たちが見た『今あるもの』を伝えたかった」と紙面に込めた思いを話す。
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