ナベヅルやマナヅルの飛来で知られる愛媛県西予市宇和地域で今冬、ツルが11年ぶりに越冬した。観察・記録した「宇和のツルを見守る会」代表の三好健二さん(60)は「この越冬を分析し、ツルを受け入れる環境整備が進めば」と期待している。 2002年から観察を続ける同会によると、02年度にナベヅル7羽が最長となる56日間滞在したが、03年度以降は数時間~16日間にとどまっていた。 三好さんは「県の整備事業で田んぼの水路がなくなって餌場が減ったり、池の水が抜かれずねぐらを失ったりと、ツルにとっての環境悪化が影響している」と指摘する。 そんな中、13年度はマナヅル2羽が12月16日~1月27日の43日間滞在。1月3~7日には西予市野村地域で確認された。ナベヅル1羽も半月以上、行動を共にしたという。三好さんは「写真撮影や散歩などで人がツルに近づき、何度も飛び立つことがあった。300メートルほど距離を取ってほしい」と訴える。
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