昨秋から始まった年金減額の取り消しを求め、愛媛県内で1200人を超える年金受給者が厚生労働省四国厚生支局(高松市)に審査請求を申し立てることが30日、分かった。全日本年金者組合の呼び掛けで全国10万人を目標とした一斉提出を計画しており、県本部の代表者らが31日、窓口の松山東年金事務所にまとめて提出する。 国は過去の物価下落に合わせ、2013年10月分から年金1%の引き下げを実施。15年4月までに段階的に受給額を減らし、これまでの払い過ぎを解消するとしている。 県本部は減額の根拠が高齢者の生活実態に合っていないなどとして、減額後初の支給があった昨年12月半ばから審査請求書の取りまとめを開始。県内の13支部で国民年金や共済年金、厚生年金などの受給者に呼び掛け、非組合員も500人以上が参加する。 山内淳正県本部委員長(84)は「もっと時間があれば(運動は)いくらでも広がった」と関心の高さを強調。中尾寛書記長(70)は「高齢者の収入は年金だけで、生活の命綱だ」と話した。請求内容が認められない場合、県本部は厚労省社会保険審査会への再審査請求も視野に入れる。
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