愛媛県松野町産のカブやユズを使った特産品「雷漬」。40年間にわたり作り続けてきた同町豊岡の生産グループ(毛利恒子代表、4人)が、メンバーの高齢化により今冬から製造を中止した。「伝統の味を絶やしてはならない」。その決意を胸に、同町奥野川の農家や会社員ら8人が原料のカブ栽培に取り組み、2年後の販売再開を目指している。雷漬はカブをコンブやユズ、酢などの煮汁に漬け込んだ漬物で、甘酸っぱい味が特徴。かむとバリバリと歯切れのよい音がすることから名付けられた。 同町では冬、各家庭が旬のカブを漬物にする習慣があり、かつて松丸の商店が雷漬を商品化した。この商店から農閑期の副収入になると製造を勧められた豊岡の農家や主婦が1973年に生産グループを結成、カブ栽培から加工販売まで一手に担う6次産業を貫いてきた。
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