金型製造のヤマセイ(愛媛県松山市、倉知秀金社長)が9月から炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使ったバスの外装部品開発を進めている。成形と切断ができる独自の金型技術を生かし、鉄板並みに安く供給できる工法を確立し、事業化を目指す。 炭素繊維は強度が鉄の約10倍ながら、重さは約4分の1。自動車に使えば軽量化でき、燃費向上や二酸化炭素排出削減が期待される。国内外の自動車、繊維メーカーなどが研究開発を進めている。 ヤマセイは山本製作所(東温市)の金型部門が独立して、昨年設立。自動車部品など製造の「ビューテック」(愛知県)の傘下に入った。主に自動車の鉄板部品の金型を手掛けるが、海外メーカーとの競争もあり、新分野に参入する。 CFRPは厚さ1ミリ未満のシートを重ねて使うため、切ると断面にすき間ができるが、ヤマセイはすき間なく切断する技術を開発し、特許申請中。刃を付けた金型で成形後、そのままプレスして数秒で切断する方法も考案した。 本年度からビューテック、愛媛大、県などの協力を得て実用化に着手。大手バス製造会社に部品を供給しているビューテックに顧客のニーズを聞きながら開発する。
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