第12回松山城薪能(実行委員会主催)が11日夜、愛媛県松山市堀之内の城山公園であり、市民ら約450人が、揺らめく炎が照らし出す幽玄の世界に浸った。 日が落ち、辺りが暗くなった午後6時ごろ、実行委の奥村武久会長と野志克仁市長が薪に火入れをして開演。松山城と二之丸史跡庭園を背に観世流の仕舞「松虫」「野宮」が始まり、酒をめぐる男2人の軽妙な掛け合いが笑いを誘う大蔵流の狂言「千鳥」が披露された。 クライマックスの観世流の能「羽衣」では、羽衣を見つけた漁師と、羽衣を返してもらい約束を守って舞を見せる天人のやりとりが演じられた。木枯らしが会場を吹き抜ける中、鼓や笛の音が響き、浦田保浩氏=重要無形文化財(能楽)総合認定保持者=の舞が観客を魅了した。
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