「『緑が豊かだな』と思っていたら、津波で建物が流された場所だと分かり、まだまだ復興は進んでいないと感じました」。愛媛県松山市の小野中学校2年鑰尼(かぎあま)夏希さん(13)が8月下旬、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県釜石市を訪れ、震災から間もなく2年半を迎える「被災地のいま」を取材した。 鑰尼さんは、被災地で新聞を発行する岩手日報社(岩手県)、河北新報社(宮城県)、福島民報社(福島県)の合同復興支援「スマイルとうほく」プロジェクトの一環で訪れた。プロジェクトでは月1回、全国の中学生を交代で被災地に招いている。 釜石市では震災で約千人が亡くなったり、行方不明になったりしている。鑰尼さんは4人の中学生と一緒に、津波に飲み込まれながらも奇跡的に助かった旅館のおかみさんや、地元の中学生から話を聞いた。取材中にも震度3の地震が発生し、まだ被災地では震災が続いていると強く感じたという。 「『人を助けて、自分も生き延びる人になってほしい』というおかみさんの言葉が胸に残っている。最近被災地のニュースが少なくなった気がするので、自分が見たり感じたりしたことをしっかりと伝えていきます」と誓っていた。 鑰尼さんが取材した「復興ノート 中学生が見た被災地」は10月27日の「スマイル!ピント」に掲載する。
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