国重要文化財(重文)の「木造一遍上人立像」を焼失した愛媛県松山市道後湯月町の宝厳寺(ほうごんじ)火災を受け、市教育委員会と市消防局は26日、市内の国宝、重文など有形文化財38件の保存状況と防火体制の現地確認を終えた。防火体制の不備が2件あり、所有者が対処中という。 市教委と市消防局によると、不備があったのは市指定文化財の建造物で、消火器や警報設備が設置されていなかった。文化財の破損など保存状態上の問題はなかった。現地確認は13日から実施していた。 市教委は、同火災で焼損した市指定有形文化財の美術工芸品「懸仏(かけぼとけ)」について、裏面の木製部分が焼け、銅部分は熱変形しているため、完全修復は難しいとの見方を明らかにした。部分的に破損した「残欠(ざんけつ)」とともに、近く市文化財保護審議会委員2人と専門部会委員4人が状態を確認し、修復方針を検討する。
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