愛媛県西予市宇和町郷内地域で民間業者が建設を進める産業廃棄物焼却施設に、隣接する同市三瓶地域住民が建設に反対している問題で、県はこのほど、三瓶地域の全住民に対し「事業者からの申請は法令に基づく施設の構造基準や周辺地域の生活環境の保全など、許可要件を満たしている。手続き上、県は許可しなければならない」との回答文書を郵送配布した。 県循環型社会推進課によると、5月中旬に地域の全19区長らで構成する「三瓶の水を守る会」(松木泰会長)が、設置許可取り消しを求めて市民5903人分の署名を中村時広知事宛てに提出したことへの返答。13日に地域の全家庭約3500戸に宛てて投函(とうかん)した。 回答では「県は独自に指導要綱を制定し、事業者に対し事前協議や関係地域住民の同意など法律以上の手続きを義務付け、慎重な審査を行っているが、法的拘束力がない」とし「今回の案件については、建設を止める手だてはない」との見解をあらためて示した。
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