安全な医療体制を確立して医療事故を防ごうと松山市保健所は8日、同市三番町4丁目の愛媛県医師会館で医療安全対策講習会を開いた。市内の病院や診療所などに勤務する看護師ら約210人が、医療現場の安全対策の専門家による講演を通し意識を新たにした。 上尾中央総合病院(埼玉県)の長谷川剛院長補佐は、1999年に横浜市で起きた手術での患者取り違え事故を挙げ「複数の医師や看護師が疑問を持ったのに起きてしまった背景には、自分の都合のいいように解釈する人間の特性があった」と分析。 従来の医学の世界では専門的な技術や知識を磨けば安全を得られるとの考えがあったが、実際には情報共有など技術面以外で安全に影響する部分もあるとし、患者が自分の病気の情報や体の変化を伝えやすくなるよう、医療従事者は何度も具体的に患者に協力を促すべきだと述べた。
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