国の文化審議会(宮田亮平会長)は19日、愛媛県内子町内子の元映画館「旭館」を登録文化財(建造物)とするよう下村博文文部科学相に答申した。数カ月以内に官報告示される見込みで、県内の同文化財は109件となる。 県教育委員会によると、旭館は地元の事業家11人が共同出資し1926年に建造。後に「電気館」と改名され、68年に廃業した。現在は近くのみそしょうゆ醸造会社「森文醸造」が所有している。 「内子町重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)」のそばにあり、建築面積273平方メートルの木造平屋一部2階建て。和風建築を基本としているが、正面には3段構成の壁面や円柱、バルコニーなど洋風の意匠が施される。頭頂部には、上映開始を告げる太鼓が備え付けられていた六角形の櫓(やぐら)が載る。 内部は、柱を立てないことで広い空間を確保し、左右両側の2階には桟敷席もある。収容客数は約780人を誇った。
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