愛媛大大学院理工学研究科の平田章講師(39)=構造生物学=らの研究グループは、原始的な生物「古細菌」のDNA情報の転写にかかわる酵素「RNAポリメラーゼ」の分子構造を解明し、ヒトなどの真核生物の酵素に似ていたことが分かったとして14日付の英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」電子版に論文を発表した。平田講師は「原始生命体からどのように進化してヒトになったのかをミクロのレベルで解明できる」としている。 平田講師によると、解析した古細菌は80度以上の高温で生存でき、原始のころの地球にいた生命体に近いとされる。古細菌のRNAポリメラーゼを結晶化し、米国の放射光施設で強いエックス線を当てて分子構造を解析した結果、11個のタンパク質が集まったカニの爪のような形をしていると突き止めた。
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