原子力規制委員会は16日、四国電力など電力4社が再稼働に向け安全審査を申請した原発10基について、新たな規制基準への適合性を確認する初めての審査会合を開いた。四電が申請した伊方3号機(愛媛県伊方町)では、規制委から耐震面や安全に対する同社の姿勢の点で指摘があった。 四電は谷川進常務が「これまでに実施した施策により、新規制基準に適合していると判断している」と強調。担当者は、想定する最大規模の津波4.1メートルに対し、敷地の標高が10メートルで十分な高さがあることや、重大事故対策で緊急時対策所を設置済みであることなどを説明した。 規制委側からは、四電が地下構造を評価するため自主的に行ったボーリング調査などについて「それなりにいろいろな手法で調査、測定している」と一定評価する意見があり、地震対策では「どこまで(断層の)連動や長さを考慮するかがポイントの一つとなる」と審査の方向性を示した。 一方、3号機の安全上の特徴をただしたのに対し、四電の回答が「当社は関連会社で運営しており、故障の状況などをグループ内で情報共有しているのが他社との違い」などと運用面にとどまったため、規制委側は「自分の発電所のプラントにどういう特徴があるのか即答できないのは問題だ」と苦言を呈した。
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