愛媛大農学部環境昆虫学研究室の村上広将さん(24)が4年にわたる標本や文献調査の末に新種の甲虫を発見し「ナガマルカッコウムシ」と命名した。論文は5月末発行の日本甲虫学会の雑誌に掲載された。 村上さんは大学3年のころから国内外のマルカッコウムシを調べており、4年の時、以前から知られる「ムネアカマルカッコウムシ」という種を研究中に図鑑よりも羽が丸い個体がいることに気付いた。 大学院に進んだ村上さんは、種の基準となる「タイプ標本」を所蔵するロンドン自然史博物館に問い合わせて写真を入手。大量の標本を顕微鏡で観察し、部位の計測や解剖を重ねた結果、交尾器の違いなどから図鑑の「ムネアカ」が実は別の新種であると突き止めた。 愛媛大ミュージアム(松山市文京町)で10日まで開催中の「昆虫展2014」では、皿ケ嶺で採集されたナガマルカッコウムシのタイプ標本を展示している。
↧