5月末、松山市中村3丁目の道路脇の雨水管から出られなくなった生後2~3カ月の子ネコを近くの主婦坂本聖奈さん(26)と長女真白ちゃん(2)が見つけ、市職員がマンホールから救い出した。子ネコは坂本さん家族に「福(ふく)」と名付けられ、家族の一員になり暮らしている。5月29日、坂本さん親子が近所のコンビニエンスストアを訪れた際、どこからかネコの鳴き声が聞こえてきた。姿は見えない。グレーチング(鋼材を格子状に組んだふた)の中をのぞき込むと、鳴いている子ネコが見えた。ちくわや餌を与え、手を伸ばしてみたが、届かない。その日は心配で何度も足を運んだ。 翌日、坂本さんから連絡を受けた市下水道サービス課職員が現場へ。道路の約1メートル下を通る直径約25センチの雨水管の中を鏡などを使って確認し、洗浄車や汚泥吸排車を用いて子ネコの誘導を試みた。小さな体を傷つけないよう配慮しながらグレーチングを開け、洗浄車のホースを投入すると、子ネコは反対側のマンホールで網を構えていた職員に近づいてきた。 救出から数日後に雨が降っており、同課は「いいタイミングで助けられた」と安堵(あんど)。同課によると、年に3、4匹のイヌやネコが水路などから出られなくなる。助けても飼い主が見つからないケースもあるが、坂本さんが引き取りを申し出た。 娘に誘われ、いつもは行かないコンビニに足を向けたという坂本さん。子ネコと遊ぶ真白ちゃんを見守りながら「これも何かのご縁」とほほ笑んだ。
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