4月末に国の有形文化財(建築物)に登録された愛媛県宇和島市本町追手2丁目の木屋旅館本館で、所蔵する掛け軸やびょうぶを披露する記念展が開かれている。30日まで。 木屋旅館は1911年に創業した商人宿で、司馬遼太郎や吉村昭ら多くの文人に愛されたことで知られる。95年に廃業したが、その後、市が購入し改修。2012年に滞在型の観光拠点として営業を再開した。13年11月には国の文化審議会が、有形文化財に登録するよう文部科学相に答申していた。 今回の展示は、通常は別館に保存されている約100点の美術品の一部。宇和島藩7代藩主伊達宗紀の書や司馬が元オーナーに贈った色紙、西予市野村町出身で大正時代を中心に活躍した画家松本仙挙が鬼ケ城山を描いた掛け軸など、約20点が落ち着いた雰囲気の建物に溶け込んでいる。
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