四国電力伊方原発1号機(愛媛県伊方町)が運転を始めた直後の1979年から原発周辺海域の環境を独自に調べてきた「磯津公害問題若人研究会」が33年にわたる調査を終了し、25日に八幡浜市保内町磯崎の公民館で報告集会を開いた。活動当初は海底で原発由来とみられる放射性物質を確認したが、近年は検出しておらず「調査活動が放射能汚染の抑止力になった」と総括した。 研究会は同市の磯崎・喜木津地区の漁師や農家などで結成し、現在のメンバーは8人。京都大原子炉実験所の小出裕章助教(64)らの協力を得て、伊方原発の排水が流れ込む地点などの海底土を採取し、放射性物質の含有状況を2012年まで調べてきた。 支援者ら約20人も出席した報告会で、調査結果を説明した小出氏によると、79年1月から97年12月分まで自然界には存在しない放射性物質コバルト60が次第に減少しながらも検出されたという。
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