国内外で水の豊かな「表情」を追い求めて30年以上活躍している写真家三宅世展さん(65)が2012年から拠点を愛媛県伊方町に移して活動している。このほど、初めて同町での個展を開き、花びらに載った水滴や勢いよく流れる滝など独自の世界観を発信している。 三宅さんは東京都出身。製薬会社の研究員だった32歳のある日、動物実験に追われる毎日に嫌気がさして逃げ込むように山に入り、偶然持参していたカメラで手当たり次第に風景を撮影した。 後日写真を見返していたところ、岩場を流れる川の様子をとらえた1枚に不思議な安心感を抱き「水が生命を支えている」と実感。それまで写真に興味はなかったが、会社を辞めて国内の山々を巡るように。水の動きや細部に着目するうち、風景写真とは異なる撮影手法を確立してきた。 写真展は同町湊浦の町生涯学習センターで16日まで開催中。入場無料。三宅さんは「普段見過ごしている水の美しさとともに、水から受ける恩恵を再認識していただければ」と話している。
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