環境省や愛媛県のレッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されている四国固有種の両生類イシヅチサンショウウオの産卵が、久万高原町や西条市などにまたがる石鎚山系で始まり、霊峰に春の到来を告げている。 同町若山の面河山岳博物館によると、イシヅチサンショウウオは石鎚山系が原産で、成体の体長は15センチ前後。体は黒く、一年を通じて水温が20度を超えない冷たい水場に生息する。4月中旬に土の中での冬眠を終え、毎年この時期にブナ林で産卵を始めるという。 14日は標高1400メートル付近の沢で、卵が詰まったチューブ状の卵囊(らんのう)が岩に数個張り付いていた。近くでは親と見られる成体3匹が、成長を見守るように透き通った水の中を泳いでいた。
↧