愛媛県が取り組んでいる愛媛ブランド牛開発プロジェクトが、来年夏の一般販売開始に向け佳境を迎えている。ジュースに使用したミカンの搾りかすを混ぜた専用飼料を牛に与える実験を昨年末から実施しており、今年夏からは肉質を検査する食味試験を行い、最終調整に入る。 プロジェクトは、ブランド化による農家収入の増加と肥育期間を通常より短くしてコストを削減するのが狙い。女性をメーンターゲットに、黒毛和種でありながら脂肪の少ない赤身重視の肉質を目指している。 2011年9月に鹿児島県から繁殖雌牛30頭を導入してスタート。畜産研究センター(西予市)で125頭に増やしたほか、県内酪農家の協力を得て実施した乳牛による代理出産でも約40頭が生まれており、頭数は順調に増加している。 愛媛産であることを特徴づけるための鍵となるのが温州ミカン。ジュースに使ったミカンの搾りかすを発酵させた専用飼料を出荷前の数カ月間与える計画で、昨年末から給餌実験を始めた。ミカンに多く含まれるβ―クリプトキサンチンが牛の体内でビタミンAに変わるため、健康志向の高い消費者へのセールスポイントにする狙いもある。
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