明治から戦後まもなくまで、小田深山などの木材を肱川河口の長浜まで運んだ「筏(いかだ)流し」が27日、愛媛県内子町大瀬東の川登地区で再現された。16棚(隻)を組み連ねた筏は長さ約50メートル。巧みなさおさばきによって、生き物のように小田川を蛇行した。 筏を操作する技術を持った筏師は、かつて地元の花形職業で「日当は土木作業員の2倍だった」という。 筏流しは陸送が発達して廃れたが、小田川の環境保全運動の一環として恒例行事になった。24回目を迎えた現在、地区は筏技術の継承に努める。 県内各地のカメラ愛好家がレンズを向ける中、みのにすげがさ姿の自治会筏部メンバーが、ゆっくりとさおを入れて出発。先頭の「花棚」のさおが右に入れば、2列目の棚のさおはバランスを取るため左に入れるなど、熟練の連携で約1キロを下った。
↧