瀬戸内しまなみ海道ができ、島から失われたにぎわいがある。愛媛県今治市大三島町宮浦の宮浦港から大山祇神社に続く参道。海道の完成後は船の利用者が激減し、車や観光バスで神社に行く人が増えた。人通りが絶え空き店舗も目立つ参道に活気を取り戻そうと、地元住民らが実行委員会をつくり、「大三島参道マーケット」を5月3日に開く。 「参拝者が途切れることがなかった。船が港に着くたび押し寄せた」。参道で文房具などを売る岩田久人さん(84)は思い返す。大山祇神社の春の大祭には露店も並び、通りの反対側に渡るのにも苦労するほどの人でごったがえした。 今治北高大三島分校の生徒の調査によると、1960年ごろには約800メートルの参道に100以上の店が並んでいた。旅館や食堂、まんじゅう店、映画館は2軒あった。 5月3日の参道マーケットには、食べ物や雑貨を売る島内外の約30店が出る。大三島分校の生徒による参道ツアー、この日神社で結婚式を挙げるカップルの行列もある。隣接する藤公園では藤まつりが開かれる。
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