第8回今治能が29日、愛媛県今治市南宝来町1丁目の市中央公民館であり、市民約400人が幽玄の世界に浸った。 地元の能楽グループ「橙黄会」(大亀藤英代表)が2007年から毎年開催。今回は県内と関西の能楽師23人が舞囃子(まいばやし)「田村」や狂言「土筆」など6演目を披露した。 メーンの能「班女」は恋に落ちた男性との再会を願い、交換した形見の扇を抱いてさまよう遊女の物語。2人が手持ちの扇を確かめ合い、再会を喜ぶ最後の場面に観客は見入っていた。 遊女役のシテを務めた大亀代表(77)は「多くの人に能の魅力を知ってもらえた。今後も舞台を続け、今治に能の文化を根付かせたい」と語った。
↧