今年の本屋大賞を受賞した和田竜さんの小説「村上海賊の娘」の登場人物に関する資料などを集めた企画展が19日、愛媛県今治市宮窪町宮窪の村上水軍博物館で始まった。歴史資料のほか、和田さんの自筆校正が書き込まれたゲラ刷りなど計83点が並んでいる。6月15日まで。無料。 「村上海賊の娘」は、宮窪港沖の国史跡能島城跡を本拠地にした能島村上家が題材。主人公の「景(きょう)」は実在しないが、父の武吉やきょうだいの元吉、景親ゆかりの品々を紹介している。 小説の主要な舞台となっている1576(天正4)年の第1次木津川口合戦関係では、能島村上家に船の警護を依頼した小早川隆景の書状を展示。1804(文化元)年出版の「絵本拾遺信長記」には、一族の村上景広が織田信長の軍船を破る様子が描かれており、合戦が江戸時代後期まで語り継がれていたことを物語る。武吉、景親が着用したと伝わる赤い陣羽織なども並ぶ。
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