大規模災害時の応急復旧に際し、愛媛県と協定を結んでいる土木業者の保有する重機が2013年度は05年度に比べ約6割減っていることが15日、分かった。締結業者も4割減少しており、南海トラフ巨大地震に備え、県はさらなる減少に危機感を抱いている。 協定は04年9月、県と県建設業協会が締結した。重機は、ブルドーザーやトラクターショベル、大型バックホウなどの掘削機械で、道路を覆う土砂や倒木の撤去などに使う。1年以上の長期リースを含む自前での保有台数(一部推計)は05年度に3935台あったが、次第に減り13年度は1671台まで落ち込んだ。 小泉政権後、「コンクリートから人へ」をスローガンとする民主党政権を挟み、公共事業は「削減ありき」だった。東日本大震災を受け、第2次安倍政権が「国土強靱(きょうじん)化」を唱え、アベノミクスで事業量を回復させているが、業者は苦境が続く。 県との協定を結ぶ業者数は05年度が903業者だったのに対し、13年度は573業者に低下した。05年度比で約4割減になってはいるが、業者数が減る以上に重機を手放している実態が浮かぶ。 県土木部技術企画室は「重機の保有台数が非常に大きく減っているのは、経営上の負担になっているからではないか」と分析。「地域での防災力を確保するには、少なくとも現状を維持する必要がある」と警戒する。
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