1日に消費税率が5%から8%に上がってから半月がたち、愛媛県内企業の売り上げへの影響が明らかになってきた。駆け込み需要の反動減に直面する企業がある一方、「想定内」と胸をなで下ろすところもあり、流通戦線はまだら模様だ。各社は7月ごろまでを正念場とみて需要回復へ戦略を練る。 軽自動車が主力の愛媛ダイハツ販売(松山市)の新車受注は1月にピークを迎えた。売上高は前年同月比の71%増。しかし税率5%の適用は納車完了を条件としたため2月は26%増に鈍化し、3月は10%減。4月上旬は半減した。 一色義治社長は1997年の増税時同様、4~6月は20%減で推移すると予測。「需要の先食いがあったので売り上げ減少は仕方ない。来店客数は7割を維持しており、5月の新車投入などで消費マインドを刺激したい」と意気込む。 日用品のまとめ買いなどで3月の売上高が30%増となったレデイ薬局(同)は、4月に入ると20%減で反動減が顕著。三橋信也社長は「想定より早く回復基調にあるが、5月ごろまでは続くだろう」と警戒する。 フジ(同)も3月の売上高は8.1%増だったが、13日現在は5%減。ただ、増税後も値段を据え置いたプライベートブランド(PB)の食品・日用品約100品目は前年並みの売り上げを確保しており、尾﨑英雄社長は7月以降は前年の水準に戻るとみる。 3月の売上高が30%近く増えた松山三越(同)は「前倒しで売れた高額品を中心に1日以降の売り上げは数%落ちた」。来店客数は前年と変わっておらず「リーマン・ショック後のような消費の落ち込みはない」と静観する。
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