1日の消費税率引き上げから初の週末を迎えた5日。「市民の台所」として親しまれる愛媛県松山市の萱町商店街を歩いた。軒先から恨めしそうに鉛色の空を見上げた店主の表情に、将来への不安が垣間見えた。 増税直前の1週間程度は駆け込み需要で大忙しだった石田クリーニング萱町店(萱町2丁目)。原燃料高や消費税増税もあり、1日に価格改定した。中岡静江店長(62)は「反動で増税1週目は例年より少ない」と語る。 商店街を350メートル歩くと店によって価格表示が違うことに気付く。今回の増税を前にできた消費税転嫁法で従来の税込み表示に加え、税抜きも認められたからだ。松山市保免中1丁目の主婦武智節子さん(73)は「店ごとに事情があると思う」と察しつつ「個人的には支払う金額が表示されている方が分かりやすい」ときっぱり。 対面販売で買い物客と日々向き合う松本鮮魚店(萱町3丁目)の松本政美さん(77)は今後の消費動向が商店街に及ぼす影響を気に掛けていた。「商店街は日々の生活に密着した場所。反動減はすぐ落ち着くだろうが、増税で消費者の財布のひもは固くなるんじゃないか」
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