「火の7日間って何のこと?」―。3月中旬、新田高校(愛媛県松山市山西町)の総合進学コース2年生の授業。担任の田中保教諭(国語科)が生徒38人に問い掛けた。春の新聞週間(6~12日)を前に、授業で新聞を活用する同校を訪れると、みんなの手元には愛媛新聞1面のコラム「地軸」と、書き写すための「地軸ノート」が並んでいた。 同校は2月下旬からコースの2年文系選抜8クラス(約280人)の現代文授業でノートを活用し始めた。田中教諭が良いと思った記事を集めて、試験や部活が落ち着いた時期に実施し、3月12日で3回目となる。 田中教諭は09年秋から断続的に、受け持つクラスで書き写しに取り組んできた。入試の多様化で小論文や面接に比重を置く大学が増える中、文章力や語彙(ごい)力、社会の事象への関心を高める狙いがある。岡崎翔平君(18)は「回を追うごとに書くペースが速まり、集中力も付いて他の授業や所属する野球部の練習にもいい影響が出ていると思う」と文章にじっくり向き合う時間の大切さを感じている。
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