太平洋戦争末期に旧日本軍が愛媛県松野町で掘った塹壕(ざんごう)について、住民8人でつくる町戦時遺構調査会の矢野和泉代表(84)がこのほど、調査結果を冊子にまとめた。塹壕は町誌にも記載がなく、矢野代表は「本土決戦が現実化しつつある中、物資輸送中継基地の松野を防衛したかったのだろう」としている。 塹壕は、溝に身を隠して応戦するための防御施設。2011年5月から矢野代表らが住民への聞き取りや軍事文献などから調べた。 矢野代表によると、西南四国の湾岸決戦に備え配備された第344師団(司令部・高知県四万十市)のうち、本部が八幡浜市にあった第352連隊の第3大隊が、1945年6月下旬~8月上旬に掘った。
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