「歩き遍路は日本人の心を知る最良の方法」。2011年4~5月、四国八十八カ所霊場を徒歩で巡礼したフランス人映像作家エミリ・ベルトさん(35)=パリ在住=が15日、愛媛県松山市三番町6丁目のコムズで講演した。お接待の伝統と遍路の絆に感銘を受け、遍路のドキュメンタリー映画を製作中で「現代日本の新しい顔を映したい」と意気込んだ。 フランスでは仕事以外でそろいの服を着る習慣がなく、白装束姿は「最初はちょっと恥ずかしかった」。しかし、ミカンや飲み物の差し入れ、笑顔でのあいさつなど道中でお接待の心に触れるうち「外国人ではなく、遍路として受け入れられた」喜びを実感した。 四国霊場開創1200年の今年、パリの会社と協力し「88」と題したドキュメンタリー映画を製作中。20日には、1番札所霊山寺(徳島県鳴門市)からビデオカメラとともに2巡目に繰り出す予定で、お接待の様子や遍路のインタビューを収録、今秋完成を目指す。
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