がん患者の在宅療養を考える市民公開講座「がんと共に生きる」が15日、愛媛県松山市内であった。在宅緩和ケアに取り組む長尾クリニック(兵庫県尼崎市)の長尾和宏院長が講演し、がん患者を在宅でみとる県のモデル事業を利用した遺族の女性3人が体験を語った。 がんになっても安心して暮らせる社会にしようと県在宅緩和ケア推進協議会が初めて主催し、医療関係者や患者、家族約150人が参加した。 長尾院長は「がん医療はここ10年で緩和医療が発達した。これからは自己決定がベースになる」と説明。病状進行で口から食事を取れなくなった際、胃に直接栄養を入れるかどうかなどを患者が自ら判断することや、医師、看護師、家族らによる支援の大切さを強調した。積極的に治療しない「がん放置療法」には疑問を呈し「早期発見、治療で医療の恩恵を受けられることもある」と語った。
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