愛媛県鬼北町父野川上の節安地区にある薬師堂で16日、安産を祈願する花とび踊り(町無形民俗文化財)が奉納され、妊婦など町内外から訪れた約100人を前に、地区出身者らが優雅に太刀を振るった。 町内などの有志でつくる節安花とび踊り保存会(渡辺博会長、28人)によると、踊りは戦国時代、難産で苦しんでいる高貴な身分の落人を救うため、地区の農民らが舞ったのが起源とされる。 節安地区は1962年と63年の豪雪と豪雨で壊滅的な被害を受け、ほとんどの住民が地区外に転出。踊りも途絶えていたが、78年に保存会が復活させ、継承している。 16日はかねや太鼓が響く中、法被姿の踊り手10人が太刀を振りかざし、「庭払い」「えつけ」「ふたつぎり」「みつくなみ」の順に舞を披露した。軽快な動きに集まった観衆からは盛んな拍手が送られていた。
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