土石流や土砂を食い止める愛媛県内の砂防設備1852カ所のうち6%に当たる110カ所で、漏水やひびなどの補修が必要な「要修繕」と判定されていることが4日、県の緊急点検の集計(1月時点)で分かった。県は状態を詳しく調べ、緊急性の高い箇所から修繕する方針。 県は1~3年に1度定期点検しているが、一斉調査で全体状況をつかむのは今回が初めて。2012年12月の中央自動車道笹子トンネル事故を受けた国土交通省の要請もあり、13年度から緊急点検していた。 110カ所の内訳は東予37、中予35、南予38。県職員のほか、委託を受けた設計コンサルタントや設計調査会社が目視で状態を確認した。県砂防課は「比較できる過去のデータがなく、要修繕設備も詳細に調べ切れていない。現時点で評価しにくい」と説明した。 今後は損傷の程度や人家からの距離などを分析し、修繕の優先度を総合的に判断する。小規模補修は県単独事業で対応し、大規模な場合は国の「砂防設備等緊急改築事業」などを活用する方針だ。
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