愛媛県西条市と今治市の境にある国史跡「永納山城跡」の約10年間の発掘調査成果を紹介する巡回展が、西条市小松町新屋敷の小松温芳図書館で開かれている。遺構の表面を樹脂で固めてはぎ取った標本や城内から出土した鉄製品など約30点を展示し、山城の構造や築城時の歴史的背景を紹介している。 西条市教育委員会によると、永納山城跡は永納山(132メートル)を中心とした山域に7世紀後半~8世紀前半に築かれた古代山城の遺跡で、2005年7月に国史跡の指定を受けた。朝鮮半島の白村江の戦い(663年)で唐・新羅連合軍に敗れた倭(後の日本)が両国の侵攻に備えて瀬戸内海沿岸や九州に築いた城の一つと考える説が有力視されている。
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