道後温泉本館周辺のホテル・旅館の一室をアーティストが演出するイベント「ホテルホリゾンタル」に参加している詩人の谷川俊太郎さん(82)が19日、自ら手掛けた部屋がある愛媛県松山市道後多幸町の旅館「道後館」で朗読会を開き、ファンら約300人が聞き入った。 同イベントは本館建設120周年を記念した芸術祭「道後オンセナート2014」の一環。道後館では一室を谷川さんの仕事部屋に見立て、室内の天井や庭などに書き下ろしの詩を配置し、安らぎの空間をつくり上げている。 朗読会は定員の60人を超えて、多くの来場客が立ち見するほどの盛況ぶり。谷川さんは「ののはな」や「沈黙の部屋」など花や部屋にまつわる約10編を穏やかな口調で読み上げた。来場客からは創作に関する質問があり、谷川さんは「日本語の土壌から言葉を吸い上げて葉や花にしている」と語った。
↧