東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市にある気仙沼女子高校が3月に閉校する。3月3日に開かれる同校の最後の卒業式を祝おうと、昨年に同校の研修旅行で交流を深めた西条農業高校(愛媛県西条市福武)と、気仙沼市を支援してきた関東愛媛県人会(東京都)などがビデオメッセージ作りを進めている。 気仙沼女子高は震災による人口流出や少子化で入学生が見込めなくなり閉校が決まった。昨年7月、愛媛県の被災地学校修学旅行支援事業を利用し生徒18人が来県。松山城を訪れたり、西条農業高の生徒とピザ作りを楽しんだりした。気仙沼女子高の小野寺武徳教頭は「温かくもてなしてもらい、生徒も高校3年間で一番心に残ったと言っている」と振り返る。 県人会災害ボランティア部の岡本竜太郎代表(40)=横浜市=は8月、気仙沼市大島行きのフェリーで同校の生徒と知り合った。何か贈り物をしたいと申し出ると、返ってきた答えは「思い出がほしい」。岡本代表は研修旅行で知り合った人たちからのビデオメッセージ作りを思いついた。西条農業高は昨夏以降も生徒が作ったミカン20キロを女子高に送るなど交流を続けており、メッセージ作りへの協力を快諾した。
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