愛媛県今治市玉川地区が誇る文化財を広く知ってもらおうと、住民有志でつくる玉川木工クラブ(近藤斉代表)は10日、原寸大で再現した国宝「伊予国奈良原山経塚出土品」の銅宝塔を市に寄贈した。 クラブは60~80代の23人がメンバーで、同市玉川町高野の市木工館で活動している。長年、木製の食器や仏像作りに励んでおり、技術の集大成として地区の宝である銅宝塔の模型作製を決意。30年以上乾燥させた地元産クスノキを材料に、昨年3月から取り掛かり、半年かけ限りなく本物に似せて仕上げた。 出土品は平安末期を中心とした銅宝塔や銅経筒などからなる工芸品群。1934年、玉川町木地の楢原山(1042メートル)山頂にある奈良原神社境内で見つかり、37年に国宝指定された。現在、玉川近代美術館が一括保管し、春と秋に計60日間だけ一般公開している。 市役所であった寄贈式では、34センチ四方の台座を含めた高さ84センチの銅宝塔の模型が披露され、1階ロビーに飾られた。
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