愛媛県産水産物を中国に輸出する共同企業体(JV)「ナインウェーブ」(宇和島市)が1月末で事業を終了することが8日分かった。人件費などを支出していた県の支援事業が2013年度で終わるためで、同JVは3月末で解散する予定。県は「参加企業が単独で輸出に取り組む足掛かりができ、事業目的を果たした」としている。 同JVは宇和島市の水産業者や漁協など9団体が10年5月に設立し、11年1月に上海への輸出を開始。13年12月末までに252回出荷し、養殖のブリやタイなど計34トン、6562万円を売り上げた。 東京電力福島第1原発事故や12年9月の沖縄県・尖閣諸島国有化の影響で輸出を中断した時期もあったが、いずれも4カ月後に再開。ただ、当初使っていた松山―上海の定期航空便のフライトキャンセルが尖閣問題以降に相次ぎ、13年1月からは陸路で関西空港に運んで空輸する経路に切り替えるなど、日中関係悪化が事業に影を落としていた。
↧