江戸時代の享保の大飢饉(ききん)のさなか、一粒の麦種も食べずに後世に守り伝えることで餓死した愛媛県松前町の偉人、義農作兵衛(1688~1732年)の精神を町内外へ発信しようと、同町の白石勝也町長は16日、新たな伝承作品を視野に松山市出身の作家早坂暁さん(84)による原作本を制作すると発表した。早坂さんは「作兵衛はキリシタンだった」との着想を基に執筆する方針を示した。 原作本は2014年3月の完成予定で、劇の脚本や歴史小説など具体的な発信形態や、15年に迎える町制60年事業での位置付けなどは今後、町民の意見も交えて決めていく。 早坂さんは、作兵衛が守ったのが麦である点に着目。「一粒の麦を、食べずにまいて実らせれば人の役に立つという言葉が聖書にも残っている」とキリシタンと設定した理由を述べた。
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